紙ヒコーキ

年下攻め若干多めのBL小説サイトです。毎週日・火・木曜日更新です。現在は大学生モノを連載中ですが、今後は軍事モノにも手を出す予定・・・。耽美な雰囲気と文章力向上をめざし日々精進です。

年下攻め

夜にひかれて 002 -Brent side-

「あのさ、ブレント」 後ろから急に声を掛けられて、自分でも情けないくらい肩が震えた。ゆっくり振り返ると、オレが待ち焦がれていた顔。 「…キャプテン、びっくりしましたよ」「ああすまない」 キャプテンは少し気難しい顔をしていた。まあ、それはそうだ…

夜にひかれて 001 -Darius side-

ロッカールームからはチームメイトの賑やかな声が聞こえてくる。その中にブレントもいるようだ。同僚といるときのブレントは明るく愉快で、戦場で見る厳しい表情のブレントとは全くイメージが違う。まあそんなギャップに惚れたのだけど。 「訓練だりー。暑い…

飲み会にて

同じ飲み会に出たのは久しぶりだった。まだ片思いだった頃に一度、ベネットが来るからというので仕事そっちのけで直行したのもいい思い出だ。課の皆の顔が上気して赤くなり始めている。今日は早めに仕事を終わらせると言っていたのに、アイツはなにをやって…

グラスを傾けて

久々の二人での夕食に心が沸き立つのを感じる。最近は仕事が忙しく、悠々と食事を取ることすらままなかなかった。 包丁の切れ味はいい。丁寧に皮を剥かれた野菜を一口大の大きさに切り分け、鍋に放り込んだ。 不器用な上司は、よく料理なんてできるな、と苦…

セカンドラウンド

部屋には少し気だるげな空気が漂っていた。シリルは腰にタオルを巻いただけの状態でベランダに出て涼んでいる。ダグラスのマンションからは一級河川が見え、その奥にはニューヨークの街並みも見下ろせるからシリルはお気に入りだった。 夜風が汗ばんだ肌を撫…

アネモネの恋

思い通りに行かない恋愛がこんなに辛いものだとは思わなかった。自分にとって恋愛は人生に不可欠な要素ではなかったし、ましてそれ中心に生きてきたわけではない。喩えるならば、テレビゲームのような時間潰し、娯楽だった。だからうまくいかないならやめれ…

永遠があるならこんな形だろう

久しぶりの休日なのに、コリンは早々にどこかへ出掛けてしまった。今日は晴れているし、気温もそこまで高くない。出掛けるにはちょうどいいだろう。フレッドも外へ出ることにした。歯を磨いて顔を洗う。コリンと兼用で使う洗顔料はミントの香りがして気持ち…

Rick's Daily 003

―――クライヴはすごい雨の音で目が覚めた。カーテンを開けて外を見る。窓の外は真っ暗で、朝6時とは思えない。窓を叩く横殴りの雨が激しい音を立てている。 昨日からこの地域に低気圧が流れ込み豪雨になると昨夜のニュースで言っていた。乱暴な雨のアラームの…

Rick's Daily 002

「クライヴ、すいません。手加減してあげられそうにない」「ああ」むしろそれでいいと言わんばかりの瞳でクライヴがエヴァンの瞳を見つめてくる。エヴァンはその視線を受け止めると少し荒っぽく、クライヴをベッドに座らせた。そのままベッドに手をついてク…

Rick's Daily 001

ボクのご主人は2人います。ひとりはエヴァンさん!幼いころに死にそうになっていたボクを拾ってくれた命の恩人です。そしてもうひとりはエヴァンさんの恋人のクライヴさんです。2人はとっても仲良しで、いつも隣同士にいます。 エヴァンさんはクライヴさんが…